The Valuebooks
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Book Market Map 2026
The Valuebooks — Market Intelligence No.01

日本の本市場マップ。
1億2,321万人のうち、本を「買う人・売る人」は どこで 私たちと交わるか

人口ピラミッドから読書人口、書籍市場の構造、主要競合20社の規模感までを一枚に。現在のシェアと、まだ取れていない機会を同時に可視化する内部資料。

Date2026-04-20 Source総務省 / 文化庁 / 出版科学研究所 / 経産省 / 各社IR / SimilarWeb Scope新刊+中古/全チャネル
日本総人口
Population
1.23
65歳以上 29.4%
読書人口 月1冊+
Active Readers
4,608
全体の37.4%
出版市場 紙+電子
Publishing Market
1.57兆円
前年比 ▲1.5%
中古本市場(推計)
Used Book Market est.
948億円
新刊の約16% / リユース経済新聞 2023
書籍EC化率
E-commerce Share
56.4%
全物販カテゴリで最高
01 Funnel — Population to Customer

本という商材が届く道のりは、思いのほか細い。総人口1.23億のうち「月に1冊以上読む」のは37.4%。「月3冊以上のヘビー読者」は約9%、本を売買するECを使う層はその一部にすぎない。私たちがいま接触できているのは、このファネルの終端の 0.6% にあたる。

日本総人口Total Population
1億2,321万人100.0%
全人口のうち15〜64歳は59.7%、65歳以上が29.4%。高齢化は読書時間を持つ層の厚みという側面も持つ。
読書人口Monthly 1+ book
約4,608万人37.4%
文化庁「令和5年度 国語に関する世論調査」。62.6%は「まったく読まない」と回答、過去最高を更新。活字離れではなく書籍離れ。
ヘビー読者Monthly 3+ books
約1,150万人9.3%
VBの本丸。本を繰り返し買う・売るサイクルの担い手。全人口の約9%に圧縮される。
本購入者Annual 1+ purchase
約2,950万人約24%
出版市場1.57兆円から逆算した推計。新刊書籍市場5,937億円÷一人平均購入額から概算。
中古本利用者Used Book Users
約1,500万人約12%
環境省リユース調査。うちネット経由(EC+オークション+フリマ)は57%。店頭型は縮小、オンライン化が加速。
中古本EC利用者Online Used Buyers
約855万人約7%
メルカリ・ブックオフオンライン・駿河屋・VB等の利用重複を考慮した推計レンジ。
VB 顧客Current Customers
73.5万人0.6%
社内8セグメント分析(2025)。全人口の0.6%、ヘビー読者の約6.4%に到達。まだ取り切れていない93.6%が存在する
総務省統計局 人口推計 2025 文化庁 国語に関する世論調査 2024 出版科学研究所 2024 環境省 リユース市場規模調査 2021
02 Publishing Market Structure

紙は縮み、電子は伸びる。ただし電子の伸びは 9割がコミック。文字ものの電子書籍は452億円と小さい。バリューブックスが戦う「書籍(コミック除く)」は、紙+電子で約6,400億円。中古本市場はその約15%。

紙 vs 電子 × ジャンル別構成

2024 — 出版科学研究所 / 単位:億円
VBの実質TAM:紙書籍 5,937億+電子書籍(文字) 452億+中古書籍 948億 = 約7,337億円

市場推移 2019–2024

Paper & Digital, YoY
2019合計 1兆5,432億
紙 12,360
電子 3,072
2020合計 1兆6,168億
紙 12,237
電子 3,931
2021合計 1兆6,742億
紙 12,205
電子 4,537
2022合計 1兆6,305億
紙 11,333
電子 4,972
2023合計 1兆5,963億
紙 10,612
電子 5,351
2024合計 1兆5,716億
紙 10,056
電子 5,660

ひとことで:紙市場はピーク比 38%

1996年ピーク2.66兆円 → 2024年1.00兆円。紙書籍市場はピーク比で60%以上縮小。拡大する電子も中身はコミック91%。文字書籍市場は新刊・電子・中古すべて縮小 or 横ばいのパイ食い合い局面。

販売チャネル別の出版物販売額

2023 — 出版科学研究所 / 紙出版物ベース
書店ルート
7,744億円
構成比 73.2% / 書店減少で縮小継続
ネットルート
2,835億円
構成比 21.1% / 大半が Amazon + 楽天
その他
622億円
コンビニ・取次直販等 / 5.7%
書店数 10年推移
14,468 → 10,417
▲28.0% / 月32.7軒ペースで閉店
無書店自治体
27.9%
村は86.2%が無書店 / 宅配買取の地理的追い風
中古本の購入経路
EC 57% vs 店頭 42%
ネット型がすでに逆転(環境省)
03 Competitive Positioning Map

X軸:新刊⇔中古、Y軸:オンライン⇔実店舗。バブルの大きさは 直近年商。VBは「中古×オンライン」の象限で、価値志向・書籍特化の左端を取り続けている。ただし販売チャネルの実態は Amazon/楽天マケプレの主要出品者 + 自社EC + 買取専業 のハイブリッドで、「Amazonというプラットフォームの中で戦う」構造を持つ点は後続のセクションで可視化する。右側(駿河屋・買取王子など)は価格/量志向、上側(Amazon・メルカリ)はマス性で勝負。

オンライン 実店舗 新刊 中古 New × Online Used × Online New × Retail Used × Retail Amazon.co.jp 書籍EC最大級 楽天ブックス honto e-hon セブンネット メルカリ GMV 1兆円 駿河屋 443億円 BookOff オンライン バリューブックス 約45億円 ※売上の54%はAmazon内で計上 ネットオフ 買取王子 もったいない本舗 ブックサプライ 古本市場 フルイチ 紀伊國屋 1,352億円 丸善 ジュンク堂 TSUTAYA 未来屋 BookOff 店舗 1,192億円 古書店
新刊EC
中古買取・EC
CtoC(個人間)
実店舗系
バリューブックス
※ バブルサイズは直近年商に比例/非公開企業は点線
04 Digital Traffic — SimilarWeb

SimilarWeb公開データ(2026年3月、直近3ヶ月平均)。本を売る/買う意図ユーザーの大半は メルカリに直行する。VBはブックオフオンラインと同水準、 エンゲージメント(PV/訪問、滞在時間)では業界上位。流入量を2〜3倍にできればオンライン単独で上位に食い込める。

※ amazon.co.jp は全カテゴリ合計(書籍内訳は非公開)。jp.mercari.com は書籍以外含む総アクセスのうち、本カテゴリの占有シェアは非開示。※ kaitori-ouji.jp / furuichi-online.jp / book-supply.jp は月間10万未満推定でSimilarWeb未収録。

エンゲージメント比較(VB ≫ 競合)

主要買取サイト / 2026年3月 SimilarWeb
サイト 月間訪問(推定) PV/訪問 平均滞在 直帰率 主要流入
バリューブックス 37万 4.71 3:40 48.9% Organic 44% / Social 3位
駿河屋 660万 11.08 5:56 35.0% Direct 61%
ブックオフ本体 340万 4.74 3:28 50.2% Direct 50%
ブックオフオンライン 31万 4.51 2:21 32.1% Organic 47%
ネットオフ 77万 4.03 3:51 38.4% Direct 53%
もったいない本舗 20万 1.82 1:31 65.9% Organic 76%

読みどころ — VBは Social流入3位 が他社にない特徴。「積読チャンネル」などコンテンツ/SNS経由のエンゲージメントが、買取サイトのPV/滞在を押し上げている。コンテンツ資産がROIに直結している証拠。

05 Revenue Scale — VB in Context

ブックオフG・駿河屋はVBより一桁上だが、両社とも「脱・本依存」の多角化に舵を切っている(ブックオフの書籍構成比は店舗売上の22%まで縮小)。書籍を本気で扱う専業プレイヤーとしては、VBは年商約45億円(19期予想)で上位に位置する。ただし売上の大半はAmazon/楽天マケプレ経由で、独立ECと単純比較できる数字ではない。

※ 各社直近決算期(2024/5〜2025/9期)の連結売上高。VBは19期(2025/7〜2026/3の9ヶ月実績33.64億の年率換算)。非公開企業はレンジ推計。Amazon JPは全カテゴリ売上で書籍単独は非開示。メルカリはGMV(流通総額)。

バリューブックス 19期 P&L ハイライト

2025/7–2026/3 9ヶ月累計 / 社内月次P&L
売上高(9ヶ月)
Revenue YTD
33.64
年率換算
Annualized
約45
原価率
COGS Ratio
28.9%
粗利率
Gross Margin
71.1%
人件費率
Personnel
20.0%
手数料率
Platform Fees
16.0%
運賃・梱包率
Logistics
12.7%
広告費率
Advertising
11.3%
販管費率
SG&A
67.2%
営業利益率
Op. Margin
3.8%
経常利益率
Ordinary
4.4%
棚卸資産回転
Inventory Turn
15

VB 売上チャネル構成 — 衝撃の事実

19期 9ヶ月累計 33.64億円 / 社内月次P&L
Amazon 54.4%
楽天 24.3%
自社 12.6%
Amazon(54.4%) 楽天(24.3%) 自社サイト(12.6%) メルカリON(2.2%) ヤフー・ラクマ・ヤフオク(5.5%) その他・nabo・ラボ(1.0%)

VBは「独立EC事業者」ではなく Amazon/楽天マケプレの主要出品者 + 自社EC のハイブリッド。売上の 78.7% がマケプレ依存、自社サイト(valuebooks.jp)は 12.6% に留まる。

Amazon売上 incl. 返品
18.31億 / 54.4%
楽天売上 1日〜末日締
8.18億 / 24.3%
自社サイト valuebooks.jp
4.22億 / 12.6%
ヤフー/ラクマ/ヤフオク
1.85億 / 5.5%
メルカリ(ON)
0.74億 / 2.2%
その他・nabo・ラボ
0.49億 / 1.5%
The Shocking Truth
Amazonに払う手数料のほうが、自社サイトの総売上より大きい
19期9ヶ月で Amazon手数料 4.27億円(売上比12.7%)を払っている。これは自社サイト売上 4.22億円微妙に上回る。つまりAmazonが停止したら、粗利どころか自社サイトを丸ごと失うのと同じインパクトが「手数料欄」だけで発生している。
4.27
Amazon手数料(9ヶ月)
>
4.22
自社サイト総売上(9ヶ月)

自社サイト手数料 0.16億(決済等)/ 楽天手数料 0.70億 と比べても、Amazon手数料の規模は突出。

VB

バリューブックスの売上規模

約45億円

19期予想(9ヶ月累計33.64億の年率換算、過去最高ペース)。書籍特化のECおよび買取事業者。販売はAmazon/楽天マケプレ主体、買取は年1,000万冊超・1日3万点査定。

Leader

ブックオフG vs VB

約26

ブックオフG連結1,192億 vs VB約45億。書籍シェアは店舗売上の22%まで縮小、書籍の空席が生まれている。

CtoC Threat

メルカリ vs VB(GMV)

約222

メルカリ国内GMV 1兆円超。書籍単独は非開示だが、本を売る行動の第一想起がメルカリになった構造的リスク。

06 Share × Opportunity

左:中古本EC市場(推計2,500〜3,500億円)におけるVBの現在地。右:読書人口に対するVBのリーチと、取り切れていない母数。市場そのものは横ばい〜微減の局面。パイを増やすより、メルカリ・ブックオフから奪う離脱・未接触のヘビー読者を掘り起こすゲーム。

Opportunity Gap

取れていないヘビー読者

約93.6%

月3冊以上読むヘビー読者 約1,150万人のうち、VB顧客は推計73.5万人(6.4%)。残り約1,076万人 は、他社経由 or 本を売らずに抱え込んでいる。

VB顧客(アクティブ)73.5万人
ヘビー読者 未接触層約1,076万人

機会損失の定量化(試算)

19期売上 ÷ 顧客数(45億÷73.5万人) 年間顧客単価 約6,100円
未接触層の10%獲得 +107.6万人
顧客単価6,100円/年を乗じると +約65.6億円
= 現売上の約 1.46倍 の潜在規模 合計 約111億円 TAM

※ 年間顧客単価は「19期売上÷顧客数」の簡易算出。実LTV(複数年)はより高い可能性。リピート率・離脱率を加味した多年LTV置換を推奨。

追い風 — Tailwind

  • 書店数▲28%、無書店自治体28% → 宅配買取の地理的需要拡大
  • 中古本購入の57%がすでにネット経由 → オンライン中心のVBモデルに合致
  • ブックオフが「脱・本依存」→ 書籍カテゴリの空席
  • 電子書籍化で紙本が「処分したい資産」化 → 買取供給増
  • B Corp/寄付モデルは価値志向シニア層に強く刺さる

向かい風 — Headwind

  • 読書人口「月1冊以上」は37.4%で過去最低、パイ縮小局面
  • メルカリが本売買の第一想起(GMV 1兆円)→ VB供給が細る構造的リスク
  • 駿河屋(EC比率75%、443億)・Amazon中古マケプレの価格勝負
  • 出版EC全体が2024年に初の前年比マイナス → シェア争奪戦
  • スマホ・SNS・動画への時間奪取(読書減少理由の43.6%)
07 Strategic Implications

全体マップから浮かび上がる戦略示唆を4点にまとめる。いずれも 仕入量(供給)LTV(需要)チャネル構造(利益率) の3軸で利益に効く論点。

01

メルカリ面倒くさい層を、宅配買取で引き剥がす

本売却の第一想起はメルカリ。だが 10%手数料+出品作業+配送手間 は明確な痛み。「送るだけ × 即金 × まとめて処分」の訴求を、メルカリ出品後に離脱するユーザーに重点的に届ける。仕入供給=反応率の生命線なので、ここで1%でも刺さればROIは即効性がある。

02

書籍特化の空席を取りにいく

ブックオフは店舗売上の78%が非書籍に。駿河屋はゲーム/ホビー主軸。書籍を本気で売買する専業ECで、100億円規模はブックオフオンライン・VB程度しか残っていない。「本を売るなら/買うならバリューブックス」 の一業種独占ブランドを、いま取り切るべきタイミング。

03

ヘビー読者1,076万人の未接触層を掘る

月3冊以上読む層のうち93.6%はまだVBに触れていない。積読チャンネル等のコンテンツ資産(VBのSocial流入3位は競合にない強み)を梃子に、ヘビー読者が集まるコミュニティ(読書メーター、X、Instagram)への露出を増やす。10%獲得で+約65.6億円(現売上1.46倍)のTAMが見える。

04

Amazon依存の分散、自社サイトLTVを引き上げる

売上の54.4%がAmazon、手数料4.27億円は 自社サイト総売上4.22億円を上回る 規模。自社サイト(12.6%)を 20%台まで引き上げられれば、同じ売上でも年間1億円以上の手数料が利益化できる。客単価×リピート×LTVで設計する自社ECの強化は、単なるチャネル分散ではなく「プラットフォーム税」の内部化。